心香り

青年は国境を越え
新しく作られた国に着いた
銃も麻薬もなく
安全な場所と聞いたから
夢を追って来た少年は
連れて来たオウムと
ギターを弾き
楽しげな歌を歌った
通る人は
何もないかの様に通り過ぎた
少年は次の日も歌った
少ないお金で果物を買い
殆どをオウムに食べさせた
少年の夢は
人を喜ばせる事だった
諦めて道に座っていると
青年も同じ様だと
笑って少年の隣に座った
この国は心ない人の国🎵
心を捨てた人の国🎵
青年は止めていた酒を飲んで
毒が効いた歌詞で歌っては
口笛を吹いた
少年とオウムもヤケクソに合わせて
がなりながら歌うと
人々は少しこちらを見て
昔の忘れた事を思い出して
いるかの様だった
青年は生きる光を見つけに来た
歌が終わると
青年は
ごめんなさい
でも、ありがとう
と言って
持っていた酒をふるまった
少年はオウムと歌うと
今度は沢山の人が集まった
この国は温かい国🎵
こころ優しい国🎵