9月3日

川いつもより綺麗さ
雲が竜巻みたいな
形で天空に広がっている
小さな僕の村は嵐の
前ぶれだと騒がしい
どうあれ今は
気持ちのいい気温だ
「雨でなく雪ならいいなと思う」
高い山々に囲まれている
この村は
ここから出るには
深い森を抜けないと
きっと向こう側には
賑やかな街があって
ダンスとか花火とか
本で見たのが
きっとあるんだ
9月3日
嵐が来た
キラキラ雷鳴
暴風雨の中
妹のネイと
家を飛び出した
手を繋ぎ回り
踊れたんだ
勢いで森に入り
息が切れるまで走った
嵐は過ぎ去ったみたいだ
森を抜け
見たものは
淡い色の水
「海だ」
「海だ」